青年と小さなレストラン

転載:

300文字小説 3編: 私のインドア生活
不思議なレストラン  そこはとても不思議なレストランでした。  一人の客が入ってきました。 「リトグリノアシアトをください」 「承知しました。しばらくお待ちください」  店員が答えて料理を用意します。 「お待たせいたしました。こちらがリトグ...

青年と小さなレストラン

 小さなレストランを青年が覗いています。
「可愛い」
 青年は中で働いている店員を見ていたのでした。そっと中に入って静かに座りました。店員の出した料理を食べながら店員の顔をずっと見ています。そして、閉店時刻に静かに帰りました。
 次の日も次の日も青年はレストランに来て料理を食べながら店員を見詰めています。
 ある日、青年は勇気を出して店員に話しかけました。
「今日の料理、美味しかったよ」
「ありがとうございます」
 店員は笑顔で返事をしました。
 次の日から青年はお喋りになりました。
 毎日レストランに来て、店員とお喋りをしながら料理を食べました。それは店員が変わってからも続きました。青年は常連になりました。

2021/9/5, ブログ「私のインドア生活」で公開

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