不思議なレストラン

転載:

300文字小説 3編: 私のインドア生活
不思議なレストラン  そこはとても不思議なレストランでした。  一人の客が入ってきました。 「リトグリノアシアトをください」 「承知しました。しばらくお待ちください」  店員が答えて料理を用意します。 「お待たせいたしました。こちらがリトグ...

不思議なレストラン

 そこはとても不思議なレストランでした。
 一人の客が入ってきました。
「リトグリノアシアトをください」
「承知しました。しばらくお待ちください」
 店員が答えて料理を用意します。
「お待たせいたしました。こちらがリトグリノアシアトです」
「やっぱりリトグリはいいね。ありがとう」
 客は満足して帰りました。
 レストランにいた他の客もお礼を言いました。
「やっぱりリトグリはいいね。ありがとう」
 店員が驚きました。
「いらっしゃったのですね。ありがとうございます。またいらしてください」
 実はこのレストランでは客の姿は見えないのです。そして、注文をしなくても店員の出した料理を食べられるのです。不思議ですね。

2021/8/8, 東京新聞の「300文字小説」に投稿

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