今日の東京新聞の別刷「大図解」は「失業給付」の特集だったけれど、日本の失業者で失業給付を受給しているのは22.4%だそうだ。個人事業主が雇用保険の対象外だったり、受給条件を満たさない非正規労働者が多いからだそうだ。
失業給付の財源は雇用保険だと思うが、雇用主と労働者と国が保険料を負担しているらしい。失業給付の受給者が多い時に、雇用保険の財源で足りるのだろうか。保険というのは皆が少しずつお金を出して困った人を助けようという仕組みなのだけど、困った人が多ければ皆が支払う保険料が高くなったり、場合によっては足りなくなって給付額が少なくなったりする。失業給付が失業中の生活を支えるためだとしたら、給付額が少なくなったり生活できなくなっちゃう。保険という仕組みがダメなんだと思う。
そもそも失業中の生活を雇用保険の失業給付で支えようという考えが間違っている。「生活費は働いて稼ぐ」が前提になっているからである。働けなくなったから働いていた人に対して給付しようというものである。それじゃだめだ。国民の「健康で文化的な最低限度の生活」は憲法25条で国が補償しなければいけない。その手段は何でも良くて、だから手段として雇用保険制度を用意したりしているのだろうけど、失業者の5人に1人しか受給できない失業給付では十分に機能しているとは言えない。雇用保険なんて廃止しちゃって、国が税金で失業中の生活を支えるべきである。そうすれば、個人事業主も受給できるし、受給対象外だった非正規労働者も受給できるようになる。
生活費の受給が必要なのは失業者だけではない。と言うか、失業給付は受給できる期間が決まっているので、その期間内に就労先が見つからなかったら失業給付なしで生活しなければいけなくなる。私がそうだった。だから、失業者に限らず、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ために必要な生活費が足りない全ての人が受給できるように、全ての人に支給するように、制度を改めるべきである。
財源は保険なんかじゃなく、高額所得者から所得税を取れば良い。国民の給与所得の合計は約300兆円らしいし、高額所得者は金融所得もあるだろうから、失業給付の財源になるくらい所得税を増やすことができるはず。
何度も書くが、国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するのは国の義務である。「健康で文化的な最低限度の生活」を営めない国民がいるのは、国の怠慢である。行政だけでなく、不十分な制度を放置して改革しなかった国会の怠慢でもある。低投票率などでそんな国会にしてしまった国民の怠慢でもある。速やかに改善してほしい。
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