転載:
300文字小説 3編: 私のインドア生活
不思議なレストラン そこはとても不思議なレストランでした。 一人の客が入ってきました。 「リトグリノアシアトをください」 「承知しました。しばらくお待ちください」 店員が答えて料理を用意します。 「お待たせいたしました。こちらがリトグ...
孤独なDJ
「今週も聴いてくれてありがとう。また来週」
ラジオの生放送が終わった後に彼はため息をついて呟いた。
「今週もお便りが一通も来なかったな。聴いてる人はいるのかな?」
帰りにいつものようにコンビニに寄ってビールを買ってレジに行くといつもとは違う店員だった。
「電子マネーで払います」
「あの…もしかして、ラジオの…」
「えっ?…はい。そうですが、どうして分かったんですか?」
「声で…声が好きなんです。今日はバイトで聴けなかったんですけど、いつも聴いてます」
「ありがとう。これからも聴いてね」
笑顔で始めた翌週の生放送も一通もお便りが来なかった。
「今週も聴いてくれてありがとう。また来週。お便り、待ってまーす」
2021/9/5, ブログ「私のインドア生活」で公開
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