賃金は労働の対価で、生活費とは分けて考えるべき

 「賃金だけでは生活できない。だから賃金を上げろ」という主張は「生活費は賃金で稼ぐもの」という前提があるから。その前提を変えなくてはいけない。
 賃金はあくまでも労働の対価である。雇用主は労働に見合った賃金を支払う義務がある。労働に見合った賃金を支払う気が雇用主に無いのなら、そんな所で働かない方が良い。退職できないのは賃金が無いと生活できないから。生活費を稼げる転職先がすぐには見つからないから。でも、それも「生活費は賃金で稼ぐもの」という前提があるから。その前提を変えなければいけない。
 重要なのは日本国憲法25条。国は国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ための生活費を保障しなければいけない。賃金だけでは「健康で文化的な最低限度の生活」ができないのなら、足りない分を保障しなければいけない。
 国民には「健康で文化的な最低限度の生活を営む」権利がある。権利は請求しなければ保障されないものなのかもしれない。だから生活保護制度は申請主義になっている。でも、申請しないからと国民が「健康で文化的な最低限度の生活」ができない状態を放っておいて良いとは思わない。マイナンバー制度で国民の資産を把握できるようにしたのだから、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」のに生活費が足りないと分かったら速やかに足りない分を支給するべきである。

 ただ、私は足りない分を支給する制度では不十分だと思っている。「健康で文化的な最低限度の生活」を営めない状態にしないことが大切である。そのためには、「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ための生活費を最初から支給すれば良い。そんな制度を作れば良い。マイナンバー制度で国民の賃金を把握しているのなら、財源は高額所得者の税金を使えば良い。

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