公正でないインボイス制度は廃止するべき

 これまで、消費税のことを学びながらインボイス制度のことを書いたり追記したりを繰り返してきたが、改めてインボイス制度について考察してマストドンに書いたので、それを引用しておく。

#メモ#政治#消費税#インボイス
添付画像は、現在のインボイス制度が始まる前の消費税の多段階課税の仕組みで、免税事業者が含まれていた場合
原則として、免税事業者が価格転嫁して良いのは、仕入れ時に支払った消費税分だけであって、付加価値に対する消費税を価格に含めたら、それは「益税」とされる。

“消費税の転嫁のあり方”
消費税の中小・小規模事業者向けの特例に関する資料 : 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d06.htm#a03

添付画像は、それが守られた上での現在の消費税の多段階課税の仕組みで、免税事業者が含まれていた場合である。
消費者が負担した消費税は9727円。
事業者が納付した消費税の総額は7000円。
差額の2727円はどこに行ったか。

図を見れば分かる通り、免税事業者から仕入れた課税事業者であるではない。それこそが「益税」である。のように見えるが、実際は違う
ただし、これは適法であり、消費税の納付額はそのように計算するよう定められている。

インボイス制度で消費者は負担増 | ページ 2 | ひとりネズミ
https://hitorinezumi.cloudfree.jp/wp/20230918-1/2/

多段階課税の仕組み(免税事業者が含まれている場合)
https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111143501029138894

#メモ#政治#消費税#インボイス
その上で、免税事業者が課税事業者になった場合の、消費税の多段階課税の仕組みは添付画像のようになる。
これは、財務省のサイトに載っていたものである。

“多段階課税の仕組み(イメージ)”
消費税に関する基本的な資料 : 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d04.htm#a02

免税事業者が課税事業者になることで付加価値に対する消費税を価格転嫁することになる。
その結果、免税事業者から仕入れた課税事業者、その課税事業者から仕入れた課税事業者の仕入れ価格は高くなる。最終的に消費者の負担は高くなる。その高くなった額は図では3000円である。さて、免税事業者から仕入れた課税事業者の利益は変わっているか?
図を見ると20000円で変わっていないことになる。

多段階課税の仕組み(ref. 消費税に関する基本的な資料 : 財務省)
https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111143573859294620

 これまでの制度で消費者が負担した消費税よりも少ない額しか納付されていなかったが、事業者の利益になっていたわけではなく、消費者が損をしていたわけでもない。むしろ、消費者は免税事業者の存在により低価格で購入できていた。

#メモ #政治 #消費税 #インボイス
現在の消費税の多段階課税の仕組みで、免税事業者が含まれていた場合、添付図のように消費者が負担した消費税が9727円なのに対して、事業者が負担した消費税の総額は7000円で、2727円少ない。これはどこに行ったのか?
免税事業者が含まれていない場合の図と比べると、免税事業者の利益等も免税事業者から仕入れた課税事業者の利益等も変わっていない。
変わったのは、消費者が負担する価格と消費税である。価格は110000円から107000円と3000円安くなっている。その内の消費税も10000円から9727円と、273円安くなってる。
こうやってみると、免税事業者が含まれていることで助かっているのは、安く購入できる消費者ではないか?
消費者が負担した消費税の内2727円が納付されていないが、3000円も安く購入できているということは、ある意味、消費税が消費者に還付されているようになっていないか?
そのことを踏まえて、消費者は免税事業者を見なければいけないのではないか?

https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111145462739309121

#メモ #政治 #消費税 #インボイス
その上で、インボイス制度である。
添付画像は、インボイス制度での消費税の多段階課税の仕組みである。
免税事業者から仕入れた課税事業者には仕入税額控除が適用されず、仕入れ額に対する消費税分も納付しなければいけない。図では4727円、余分に納付しなければいけない。
その結果、事業者が納付した消費税の総額は消費者が負担した消費税よりも多くなる。図では2000円も余分に納付されることになる。
さて、免税事業者から仕入れた課税事業者の利益であるが、本来であれば20000円であるのに、免税事業者から仕入れた分の消費税割合を計算して納付した結果、図では4727円を余分に納付することになり、その分の利益が減る
その結果、免税事業者からの仕入れを取りやめる話が出てくる
インボイス制度の問題は、消費者が負担した消費税よりも多く納税されてしまうことの他に、免税事業者の仕事を結果的に奪うことである。
では、免税事業者が課税事業者になれば良いかと言うと、その分の事務負担や税務執行コストが、重くなる。そのことに対する配慮はないのだろう。

インボイス制度での消費税の多段階課税の仕組み(免税事業者が含まれていた場合)
https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111143632177376486

 課税事業者が仕入れる時に免税事業者から仕入れると損をする仕組みは、同じ価格で納入しようとしても課税事業者よりも免税事業者の方が不利になり公正な競争ではない

#メモ#政治#消費税#インボイス
そもそも、事業者免税点制度、いわゆる免税事業者の制度は「小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から設けられている特例措置」である

“小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から設けられている特例措置”
消費税の中小・小規模事業者向けの特例に関する資料 : 財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d06.htm

その「小規模な事業者の事務負担や税務執行コスト」は消費税が導入されてから減っているのか?
税率が8%と10%の2種類もあり、消費税導入時よりも複雑になった。さらに、インボイス制度で売り上げからまとめて消費税を計算することができなくなり、手間は格段に増えた。
だから、「小規模な事業者の事務負担や税務執行コストへの配慮から設けられている特例措置」はなくせない
残したとしても、インボイス制度のように免税事業者からの仕入れが不利になるような制度で免税事業者が課税事業者よりも不利になるのは公正ではない。
インボイス制度は廃止するべきである。

これまでの消費税制度に問題があるなら、消費税制度こそ廃止するべきである。

https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111143722114592106

コメント

タイトルとURLをコピーしました