紫陽花が土の酸性度で色が異なることは自分で確かめたことはないが聞いたことがあった。でも、日によって色が変わることは知らなかったし、気付かなかった。本当なのか、念のためにインターネットで調べてみた。
きっかけは正岡子規さんの俳句「紫陽花やきのふの誠けふの嘘」である。俳句の解釈や詠まれた時の心境については国立国会図書館が調べてくれてネットにアップロードされてる。
子規の俳句「紫陽花やきのふの誠けふの嘘」についての解釈や、この句を詠んだ時の心境がわかる資料がないかを調査しました。
正岡子規の俳句「紫陽花やきのふの誠けふの嘘」についての解釈やこの句を詠んだ時の心境などを知りたい。 | レファレンス協同データベース
●当該句の解釈ないし言及
詳しく解釈している文献は見当たりませんでしたが、次の文献1】に言及がありました。
1】野瀬四郎 著『話し方歳時記』広済堂出版, 1993.1【KF142-E245】pp.122-123 ※「このような色のうつりかわりを「七変化」とよび、子規はその変化を「誠」と「嘘」に色分けして呼んでいます。それかあらぬか、紫陽花の花ことばは「変わりやすい心」とか「冷淡」といわれています」(p.123)とあります。
紫陽花の花言葉に「移り気」があって、それは紫陽花の色が変わるからだということは聞いたことがあって知っていたのだが、紫陽花の色が変わることについて疑問を持ったことはなかった。ただ、ラジオでこの句が紹介された時に「紫陽花は土が酸性かアルカリ性かによって色が異なるのだけど土の酸性度はころころと変わるものなのか?」と疑問が生じた。ネットで検索すると酸性度によって色が異なることとともに、色が変化することに触れている記事があったのだけど、根拠までは書いてなくて、迷った時のWiki頼みということでWikipediaで確認してみた。
花(萼)の色はアントシアニンという色素によるもので、アジサイにはその一種のデルフィニジンが含まれている。これに補助色素(助色素)とアルミニウムのイオンが加わると、青色の花となる[22]。従来は理論の域に留まっていたが、今般、実際にアジサイの花で直接確認された[23]。
アジサイ – Wikipedia
アジサイは土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わり、一般に「酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」になると言われている[16][注釈 4]。これは、アルミニウムが根から吸収されやすいイオンの形になるかどうかに、pHが影響するためである。すなわち、土壌が酸性だとアルミニウムがイオンとなって土中に溶け出し、アジサイに吸収されて花のアントシアニンと結合し青色を呈する。逆に土壌が中性やアルカリ性であればアルミニウムは溶け出さずアジサイに吸収されないため、花は赤色となる[24]。したがって、花を青色にしたい場合は、酸性の肥料や、アルミニウムを含むミョウバンを与えればよい[25]。同じ株でも部分によって花の色が違うのは、根から送られてくるアルミニウムの量に差があるためである[26]。花色は花(萼)1グラムあたりに含まれるアルミニウムの量がおよそ40マイクログラム以上の場合に青色になると見積もられている[27]。ただし品種によっては遺伝的な要素で花が青色にならないものもある。これは補助色素が原因であり、もともとその量が少ない品種や、効果を阻害する成分を持つ品種は、アルミニウムを吸収しても青色にはなりにくい[28]。
土壌の肥料の要素によっても変わり、窒素が多く、カリが少ないと紅色が強くなる[19]。
また、花色は開花から日を経るに従って徐々に変化する[29]。最初は花に含まれる葉緑素のため薄い黄緑色を帯びており、それが分解されていくとともにアントシアニンや補助色素が生合成され、赤や青に色づいていく[29]。さらに日が経つと有機酸が蓄積されてゆくため、青色の花も赤味を帯びるようになる[注釈 5]。これは花の老化によるものであり、土壌の変化とは関係なく起こる[31]。
日が経って青から赤に変わるのは有機酸が原因らしい。有機酸は「酸性を示す有機化合物の総称」だから、花(萼)が酸性になるということだろう。キーワードは「アントシアニン」だから、Wikipediaで確認してみた。
アントシアニンの色はpH によって著しく変化し、一般に、酸性では赤っぽくなり、塩基性では青っぽくなる[1]。したがって、ある種の酸塩基指示薬として機能する。中性溶液の色はペラルゴニジンは鮮赤色、シアニジンは紫色、デルフィニジンは紫赤色である。これが、例えばシアニジンの場合は、酸性条件下で赤色に変化し、塩基性条件下で青色ないしは青緑色に変化する。
アントシアニン – Wikipedia
アントシアニンの色は、共存する金属イオンの影響も受ける[3]。これは、アルミニウム、マグネシウム、鉄などの様々な金属イオンとキレート錯体を形成し、その色調が変化するためである。
これはアジサイの例だが、アジサイの花はアントシアニンの色だけでなく、植物体中のアルミニウムの量によって影響を受ける事が知られている。酸性の土壌では、土壌中のアルミニウムが溶出し易く、結果として植物中のアルミニウムイオンの濃度が増すため、花は青味が強くなる傾向にあるのに対して、植物中のアルミニウムの濃度が低いと赤味が強くなる傾向が見られる[1]。
「デルフィニジン」は「塩基性の溶液中では青色、酸性の溶液中では赤色に色が変わる」らしい。
まとめると、紫陽花は最初は葉緑素の影響で薄い黄緑色だけど、日が経つにつれて葉緑素が分解されてアントシアニン(デルフィニジン)が作られて紫赤色になる。土壌が中性やアルカリ性なら色はそのままだけど、酸性だと土壌のアルミニウムが溶け出してイオンになって紫陽花に吸収されて紫陽花のアントシアニン(デルフィニジン)と結合して紫陽花の色が青くなる。さらに日が経つにつれて有機酸が蓄積されて酸性になるのでアントシアニン(デルフィニジン)の性質によって赤くなる。そんな感じらしい。
別に次のような情報もあった。
また、アジサイは七変化(しちへんげ)と呼ばれることもあります。たとえば咲き始めは淡い黄緑色、それが青くなり、やがて赤くなり、最後は緑で終わるという具合です。
【アジサイ】花の色が変化する秘密は? – ウェザーニュース
「時間とともに花の色が変化するのは、アントシアニンや補助酵素などによってつくられた色素の勢いによります。色素が盛んにつくられると色がしだいに濃くなり、やがて一部の色素が分解されると色が変わり、最後は全部の色素が消えて緑色で終わることが多いのです」(川原田さん)
それはともかく、我が家に庭にも紫陽花があるので、確認してみたい。特に、青かったら、赤くなるか確認したい。
ちなみに、我が家の庭では白い紫陽花も見たことがある。
コメント