憲法改正のための最低投票率を定めたら違憲か?

 現在の日本国憲法では投票率が20%でも過半数が賛成したら改憲できてしまう。この例では有権者の10%の賛成で改憲されてしまうわけで、最低投票率を定めるべきだと思っていたら、最低投票率を定めたら違憲だという解釈があるという憲法学者の話を聞いた。時間が短かったので、「最低投票率が憲法に定められていないから違憲だ」という感じしか分からなかった。気になったのでChatGPTに尋ねてみたら次のような回答だった。

結論からいうと、最低投票率を定めたから直ちに憲法違反になるとは限りませんが、「違憲である」という有力な見解もあります。学説上も議論があります。

日本国憲法96条1項は、憲法改正について次のように定めています。

この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

ここで問題になるのは、「その過半数」が何を意味するかです。

最低投票率は憲法96条と矛盾するのか

例えば、

  • 投票率40%
  • そのうち賛成70%

だったとします。

96条だけを見ると、投票者の過半数が賛成しているので改正案は承認されたように見えます。

しかし国民投票法で

投票率が50%未満なら結果は無効

と定めると、改正は成立しません。

すると、

憲法が「投票者の過半数で承認」と定めたのに、法律がさらに別条件を追加している

ことになります。

このため、

法律によって憲法改正の要件を加重しており、96条に反する

という違憲説が成り立ちます。

合憲と考える余地

一方で、

96条は「賛成票の割合」だけを定めており、投票率については何も定めていない

と考えることもできます。

この立場からは、

国民投票の具体的な手続は96条が「国会の定めるところにより」として法律に委ねているので、最低投票率も手続的な制度設計として認められる

という合憲説になります。

実際にはなぜ最低投票率が採用されなかったのか

現在の国民投票法には最低投票率制度がありません。

国会審議では、

  • ボイコット(反対派が投票に行かない運動)を誘発する
  • 棄権が実質的に反対票と同じ効果を持ってしまう
  • 憲法96条との関係で疑義がある

などの理由が指摘されました。

例えば最低投票率50%の場合、反対派は「反対票を入れる」よりも「投票に行かない」方が有利になる場合があります。すると国民投票の趣旨がゆがむおそれがあります。

憲法学的には

多くの憲法学者は、

96条が「投票者の過半数」という承認要件を明示している以上、法律でさらに最低投票率を追加するのは問題がある

と考える傾向があります。

ただし、これは最高裁判所が判断したわけではなく、確立した判例もありません。

したがって、法学的に整理すると、

  • 「最低投票率を定めたら当然に違憲」とまでは言えない。
  • しかし96条が定める改正要件に法律で追加条件を課すことになるため、違憲となる可能性はかなり真剣に議論される。
  • そのため現行法は最低投票率を採用していない。

というのが比較的バランスの取れた説明になります。

 一般的に、憲法に定められていなくても憲法に書いてあることに違反しなければ違憲ではないのだが、憲法の改正に関しては例外なのか? 私は最低投票率を定めても合憲だと思うのだが…。それに投票率が低かったらそれは「憲法を変える必要はない」という意思表示と考えられるので、その国民の意思を反映して改正できなくするのは当然だと思うのだが、そう考えてもらえないのは悲しい。

第九十六条 
この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。

この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

② 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

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