日経平均株価が大幅に下がるたびに報道などで騒がれて「円高になって輸出企業の~」と解説のアナリストが後付けの理由を言ったりする。今の円安過ぎる状態で円高に振れたとしても、それは正常な状態に戻っているだけで、それで株価が下がっても仕方ないと思うし、円安で株価が上がるような状態が異常なんだと思ってる。
しかし、円安で株価が上がるのは、輸出企業がどうのこうのという理由ではなく、ドルで売買していたら、円安で株価が上がり、円高で株価が下がるのは当然だとも思う。円安だったら割安なので買われて、円高だったら割高なので売られて、ドルで見た場合の株価が変わらないように動くという感じである。
それで、ドルで見た場合の日経平均株価がどうなっているかグラフを作成して確認してみた。ついでに、10年前の2014/11/5からのダウ平均株価の動きも重ねて、日経平均株価の動きと比較できるようにしてみた。
円安が進むのは2022年からである。その時期にダウ平均株価が下がっているのに、日経平均株価は下落が鈍く耐えているように見える。しかし、日経平均株価をドルで見ると、その時期はしっかりと下がっている。
ドルで見た日経平均株価とダウ平均株価を比較すると、2018年からのコロナ禍前は日経平均株価の上昇が鈍いように感じられるが、コロナ禍からV字回復した後の2020年の終わり頃に急上昇していて、ダウ平均株価がコロナ禍直前と同じ水準くらいなのと比べて顕著である。しかし、2021年はダウ平均株価が上昇しているのに対して日経平均株価は下落傾向である。ダウ平均株価は2022年に下落を始めて、日経平均株価も下落し、2022年の後半ではどちらもコロナ禍前の水準まで落ちている。2023年からどちらも上昇傾向だが、2024年が終わる現在、日経平均株価はダウ平均株価ほど上昇していないように見える。
さて、為替が安定していた時期を見ると、2017年に150ドルで安定していた日経平均株価が200ドルまで上昇し、2020年まで安定して200ドルである。それが現在は250ドルくらいまで上昇した。2018年から25%の上昇である。円で見た場合、2018年は22000円くらいだったのが、現在は40000円弱で、2倍とは言わないが80%上昇しているように見える。本当はそんなに上昇してなくて、円安で下駄を履かされているようなものだと思う。譬えがちょっと違う気もするが、とにかく勘違いさせられているような気がする。
それで、今、為替が安定していた2017年から2021年の水準まで円高になった場合、2021年のピークの所(25000円くらい)まで、円で見た日経平均株価は下がるのだろうなと思う。そして、それが正常な値なんだと思う。その後は安定するのか下がるのかは分からないが、株価が下がるたびに騒ぐのは、うざいので終わりにしてほしい。ただし、2022年のように円安が進んでいるのに円で見た株価が上がらなくなったら、それはドルで見た株価で分かるように実質的に下がっているので少しは気にした方が良いと思う。
そう言えば、東日本大震災は2011年3月11日であるが、上のグラフを見ると、その影響が微々たるものに見える。日本の、特に東北地方の被害は相当な大きさだったのに…。
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