前のページの次の部分に関して。
免税事業者は付加価値の分の消費税(A)、例えば税抜き価格の10%(消費税率)を請求してないか?
「インボイス制度で消費者は負担増」1ページ
免税事業者から仕入れた課税事業者は免税事業者が仕入価格の分の消費税(B)しか請求してないのに付加価値の分の消費税(A)も支払っているかのように仕入税額控除を申請してないか?
正しく、免税事業者はBだけを請求し、課税事業者も免税事業者のBだけを仕入税額控除として申請しているのであれば、そんな仕組みがあるかどうかは不明であるが、
免税事業者から仕入れた場合の仕入税額控除の計算方法を解説している公式ページがあった。
免税事業者や消費者から仕入れたとき
消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上げに係る消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)を控除して計算します。
この場合の課税仕入れとは、事業のために他の者から商品などの棚卸資産の仕入れのほか、機械や建物等の事業用資産の購入又は賃借、原材料や事務用品の購入、運送等のサ-ビスの購入などをいい、その課税仕入れに係る相手方が課税事業者であることを要件としていません。
したがって、免税事業者や事業者ではない消費者から仕入れた場合も、仕入税額控除の対象となることから、その支払った対価の額は消費税及び地方消費税込みの金額とされますので、その対価の額の110分の7.8(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては108分の6.24)相当額は、消費税額として仕入税額控除を行うことができます。具体例
例えば、免税事業者である下請業者に外注費100万円を支払ったとします。この100万円の支払の中には、その110分の7.8に相当する70,909円の消費税額が含まれているものとして、仕入税額控除を行うことになります。このことは、事業用の建物や器具などを事業者ではない人から購入したり賃借する場合も同じです。
【確定申告書等作成コーナー】-免税事業者や消費者から仕入れたとき
[令和4年9月1日現在法令等]
「110分の7.8」というのは消費税率が7.8%だからであって、地方消費税率2.2%と合わせると、仕入れ時に支払った価格の「110分の10」が仕入税額控除の対象となる。
念のために、課税事業者から仕入れた場合の仕入控除税額の計算方法が書かれた所も引用しておく。
消費税
消費税の納付税額は、課税期間中の課税売上高に7.8%(軽減税率の適用対象となる取引については6.24%)を乗じた額から、課税仕入高に110分の7.8(軽減税率の適用対象となる取引については108分の6.24)を乗じた額を差し引いて計算します(注1、2)。
課税期間は、原則として、個人の場合は1月1日から12月31日までの1年間です。
なお、この場合の「課税売上高」は、消費税及び地方消費税に相当する額を含まない税抜きの価額です。地方消費税
地方消費税の納付税額は消費税額に78分の22を乗じた額です。
納税する際には消費税と地方消費税の納付税額の合計額をまとめて納税することになります。【確定申告書等作成コーナー】-納付税額の計算のしかた
(注1) 消費税額は税率ごとに区分し計算する必要があります。
(注2) 軽減税率制度が実施後は、消費税額は、原則として、税率ごとに計算しますが、売上げ又は仕入れを税率ごとに区分することが困難な事情がある一定の事業者については令和元年10月からの一定期間、税額計算の特例を用いて売上税額及び仕入税額を計算することができます。詳しくは、特設ページ「消費税の軽減税率制度について(外部サイト)」を参照ください。
[令和4年9月1日現在法令等]
仕入れ時の消費税額の計算が免税事業者の時と同じ「110分の7.8」になっていることが分かる。
ここで、改めて、前ページの図(次の図)を見てほしい。
免税事業者は消費税額を記載して請求する必要がなく、仕入れ時に支払った消費税分(B)を価格転嫁した総額で請求することになる。そこには付加価値の消費税分(A)は含まれていないとみなすべきだろう。
その免税事業者から仕入れた課税事業者は仕入れ価格の「110分の10」を消費税額として仕入税額控除を行う。すなわち、仕入れ価格に付加価値の消費税分(A)が含まれているとみなして仕入税額控除を行う。その結果、免税事業者が価格転嫁した消費税額よりも多い額を仕入税額控除してしまう。その余分な仕入税額控除の額が「益税」となる。
上の図を修正すると次の図のようになる。
仕入税額控除の額が多くても、利益は変わらず「益税」は間違いだった。
詳細は以下の通り。
上記で、免税事業者から仕入れた課税事業者の仕入れ税額控除の額が多いので「益税」と書いたが、実際に利益があるのか少し考えて、マストドンに書いた。
#メモ #政治 #消費税 #インボイス
https://mastodon-japan.net/@ishii00141/111145462739309121
現在の消費税の多段階課税の仕組みで、免税事業者が含まれていた場合、添付図のように消費者が負担した消費税が9727円なのに対して、事業者が負担した消費税の総額は7000円で、2727円少ない。これはどこに行ったのか?
免税事業者が含まれていない場合の図と比べると、免税事業者の利益等も免税事業者から仕入れた課税事業者の利益等も変わっていない。
変わったのは、消費者が負担する価格と消費税である。価格は110000円から107000円と3000円安くなっている。その内の消費税も10000円から9727円と、273円安くなってる。
こうやってみると、免税事業者が含まれていることで助かっているのは、安く購入できる消費者ではないか?
消費者が負担した消費税の内2727円が納付されていないが、3000円も安く購入できているということは、ある意味、消費税が消費者に還付されているようになっていないか?
そのことを踏まえて、消費者は免税事業者を見なければいけないのではないか?
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