平時に用無しで役立たずのコミュニティFMは災害時に役立つの?

改めてラジオの強みを確認しておきましょう。一番の強みはなんといっても停電に強いことです。2018年の北海道胆振東部地震では、道内全域で大規模な停電(ブラックアウト)が起きましたが、地震発生当日に最も利用されたメディアはラジオでした。それから端末の持ち運びが出来て乾電池だけで動くこと。数日間であればつけっぱなしにしていても、スマートフォンのようにバッテリーの残量を気にする必要はありません

#392 自治体による災害時のラジオ活用をどう進めるか? | 文研ブログ|NHKブログ

 停電に強いのは同感で、千葉県の令和元年房総半島台風で2019/9/9の早朝から9/12の午後4時頃まで停電になった時はラジオを聴くしかなかった。オーム電機の RAD-V1764M に単一電池2本を入れて聞いていた。手回し発電ができるのだけど、懐中電灯の電池を新しくして古くなった電池をラジオに入れて聴いていたような気がする。

また言うまでもなく、放送は通信と異なり、錯綜することなく情報を届けることができること。もちろん東日本大震災のような激甚災害になると、放送を送り届けるラジオの送信所(中継局)そのものが大きな被害を受ける可能性もあるのですが、テレビの中継局とは構造が異なることもあり、東日本大震災の時にはテレビに比べて停波した局は少なかったです。

#392 自治体による災害時のラジオ活用をどう進めるか? | 文研ブログ|NHKブログ

 家族で一緒に聴いていたラジオの放送局はNHKだけど、日中はオーム電機の RAD-V1764M で市原市のコミュニティFM「いちはらFM」が聞けるか試してみた。と言うのも、毎週月曜日~金曜日の午前9:30~12:00に放送されていた「元気なラジオ HyperWave」の常連リスナーだったからで、9/9の月曜日はパーソナリティがスタジオに来れなくて放送されてないのだけど、9/10の火曜日はパーソナリティがスタジオに来れて放送したらしい。で、ロッドアンテナをサッシに接触されるなどして一瞬聞こえたような気がする。ただ、聴こえたのはHyperWaveではなく放送事故時に流れるような音楽=フィラーだった。そして、そのフィラーも途中から全く聞こえなくなった。

 9/10の HyperWave は聴けなかったけれど、スタジオからのYouTubeライブ配信があって、30分で止まっている。

 いちはらFMの場合は停電でスタジオから送信できなくなっただけでなく、停電が解消された後もスタジオから放送できなかったらしい。スタジオから送信所まで放送を送る光ファイバーケーブルの断線ということだったような気がするが…。木更津市のコミュニティFM「かずさエフエム」はスタジオから送信所までの回線が断線したらしい。

 いちはらFMは9/13の午前中にスタジオから生放送しようとしたけれど生放送できず、ラジオからは音楽=フィラーが流れていた。それで、スタジオで放送していた時の音声を収録して午後に流したらしい。私は別の放送局のラジオ(YouTubeライブ)を聴いていたので、いちはらFMの放送は聴けなかった。

 どうやら9/13の夕方から市原市役所第2庁舎3階の特設スタジオから放送を始めたらしい。

 フィラーが流れていたことから、当時は停電が解消した後にスタジオから放送できてないのは回線の問題ではなく別の問題だと思っていたのだけど、スタジオから放送の音声が届かないと送信所が送信所の装置でフィラーを流す仕組みだったとしたら、かずさエフエムと同じように、本当にスタジオから送信所までの回線が断線していたのかもしれない。
 ちなみに、9/19からはスタジオから生放送を再開した。

もちろん東日本大震災のような激甚災害になると、放送を送り届けるラジオの送信所(中継局)そのものが大きな被害を受ける可能性もあるのですが、テレビの中継局とは構造が異なることもあり、東日本大震災の時にはテレビに比べて停波した局は少なかったです(図1)。

#392 自治体による災害時のラジオ活用をどう進めるか? | 文研ブログ|NHKブログ

 ラジオが停電に強いと言っても、放送できない状態になったらラジオを持っていても役に立たない。いちはらFMやかずさエフエムは送信所が無事だったので、送信所の傍にスタジオを移して放送できたけれど、送信所が壊れたら放送できない。
 上の引用にある(図1)は「総務省|平成24年版 情報通信白書 第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋 第4節 東日本大震災の教訓を踏まえたICT災害対策の強化」の「図表3-4-2-5 発災後の中継局(ラジオ・テレビ)の被災状況」である。

図表3-4-2-5 発災後の中継局(ラジオ・テレビ)の被災状況
総務省|平成24年版 情報通信白書 第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋 第4節 東日本大震災の教訓を踏まえたICT災害対策の強化

 図を見るとラジオ停波中継局数は少ないのだけど、ラジオの送信所(中継局)そのものが大きな被害を受けなくても停波する。令和元年房総半島台風の時、いちはらFMの送信所は無事だったけれど、フィラーも流れない停波の状態があった。ちなみに、図表3-4-2-5の停波は中継局の被害とは限らない。

 東日本大震災における放送設備の被災状況についてみると、テレビの中継局においては、津波による被災に加えて、地震発生の翌日3月12日には大多数が蓄電池切れ等による停電のため、最大で120局が停波する状況になった。ラジオの中継局においても、蓄電池切れや回線障害の影響による停波が確認されているところである(図表3-4-2-5)。

総務省|平成24年版 情報通信白書 第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋 第4節 東日本大震災の教訓を踏まえたICT災害対策の強化

コメント

タイトルとURLをコピーしました